薬学生として日々を過ごしていて、将来のこととか考えなくはないけど社会人とか就活とかまだ先だしよくわからない という人は多いのではないかと思います。
そこでこの記事では、6年制の薬学生の就職活動の実態と、キャリア選びを進めるうえで心がけたほうがよいだろうなと大学職員として私が思うことについて触れてみたいと思います。
就職活動のスケジュール(大枠)
人によって多少のばらつきはありますが、多くの薬学生の実態としては以下のような感じなのではないかと思います。
1~3年生
勉強と遊びに忙しくて将来のことはほぼ眼中にない。
4年生
大学でキャリアガイダンスを受け(させられ)たりして少しだけ就活のことを考え始める。周りの友達の中には就活サイト主催のイベントなどに参加する人も現れ始める。でもまぁまだちょっと先かなという意識もあり、相変わらず授業も忙しくてそうこうしている間に過ぎていく。
5年生
Ⅰ期の人から順番に薬局・病院実務実習に出向く。新鮮な学びを吸収しつつ、慣れない環境でついていくことだけで精一杯。
実習が終わって久しぶりに学校の友達に会うと就活を進めている人がけっこういて、慌てて合同企業説明会などでの情報収集から始める。
早い企業では年末ころから選考が始まる。何社か受けることと並行して友達と情報交換したり先生やキャリアセンターの指導を受けたりしている間にだんだん企業を見る目とか自分のPRも磨かれる。6年生になる前後~長い人でも夏ころまでに無事内定ももらえて進路を決める。
みたいな感じではないでしょうか。
私自身の学生時代を思い返しても考えて就活していたとはとうてい言えないなかで、それでもなんだかんだで家族にも恵まれて楽しく暮らしていることを思うと、そのときどきのことにそれなりに一生懸命取り組みつつ流れに身を任せる生き方で全く問題ないかなと思います。
キャリア選びを進めるにあたってどんなことを心がけるとよいか
そのうえで、あえてこれからのキャリアをより充実したものとするためのアドバイスをするとしたら、以下の2点かなと思います。
(1)低学年のうちから将来のこととか世の中のことに関心をもつこと
(2)薬局・病院実務実習を最大限に活かすこと
(1)については、自分が目的意識を持って楽しめることであれば、どんなことでもいいと思います。
少し背伸びした内容の本を読んでみたり(「アンサングシンデレラ」とかマンガでもぜんぜんOK)、他大学や社会人など異分野の人と交流を持ってみたり、映画やドラマとかで教養を深めたり。(そういえば、私は学生時代に深津絵里さんと堤真一さんの「恋ノチカラ」というドラマを見て、こんなふうに仲間といっしょにワクワク働きたいなと刺激を得たことを思い出しました。古いなw)
(2)については、実際に多くの学生を見ている中で、実習に取り組んだ姿勢でかなりの差がついていることを痛感しています。
実習は、単にカリキュラムの一環の必修科目 というだけだは当然なく、現場の薬剤師や他職種の医療従事者がどんな考えで働いているのかをダイレクトに知れる絶好の機会です。職員さんにやりがいとか苦労を聞いてみたり自分の気づきを伝えてみたりすると、大きく理解が深まります。(もちろん就活の際の志望動機などにも活きてきます。)
中には、製薬や治験業界に関心のある人は病院・薬局実習は自分にはたいして関係ないと思っている人もいますが、それも間違いです。病院と薬局は、メーカーが生み出す薬を患者さんに供給したり患者さんが服薬するまさに最前線の現場です。そこにある課題を見出したり、薬の存在意義を直に理解することは、メーカーや開発現場で生きていくうえでも大いに価値を持ちます。ちなみに、製薬メーカーの就活の選考で競合する他学部の学生は実務実習を経験していないということも踏まえておくと良いと思います。
今回の記事はここまでです。読んでくれてありがとうございます。
次回は具体的な進路先などについて触れていこうと思います。
コメント